人は誰しも『幸せ』でありたい、と考えるのは不思議ではない。
しかしながら「あなたの幸せは何ですか?」と問われると「えーっと」とモジモジしてしまいがち。小生も漏れなくそんな感じであった。
興味深い本に出会う。「精神科医がみつけた3つの幸せ」樺沢紫苑著(飛鳥新社)
初めはYouTubeチャンネル「両学長 リベラルアーツ大学」の紹介で知るが、気になり書籍を購入、更には著者のYouTubeチャンネルものぞいてみた。
著者である樺沢紫苑さんは少し個性的な感じが漂う雰囲気であるが、精神科医として30年間患者と向き合う中で「何とか一人でも多くの人を幸せにしたい」と考え行動する素晴らしい方である。
本書は366頁に渡る長編本であり「幸せの三段重理論(さんだんじゅうりろん)」の解説書であるとともに、その実生活への活用方法がまとめられた実用書でもある。
脳科学的な視点で『幸せ』が何なのかシンプルに解説されており、是非皆さんにも手に取って頂きたいと思い、そのポイントを紹介したい。
ー目次ー
精神科医が見つけた『3つの幸福』とは
さあここで、有史以来、多くの人が頭を悩ませてきた「幸福とは何か」の問いに、本書ではたった10秒で答えを出してしまいましょう。
ドーパミン、セロトニン、オキシトシンが十分に分泌されている状態で、私たちは「幸福」を感じる。つまり、脳内で幸福物資が出た状態が幸せであり、幸福物資を出す条件というのが「幸せになる方法」である
と著者である樺沢さんは言う。
脳科学的には「幸福に関する脳内物資(ホルモン)」は100種類以上あるようだが、普通の人が日常の生活で活かせるモノを選ぶと「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」の3つに絞られるという。
心と体の「健康」から得られる幸福であり、快晴の朝、散歩して「爽やかだ」「清々しい」「気持ちがいい」と感じられる様なことから得られる。
このセロトニン的幸福の反対の状態が「病気」である。
▶オキシトシン的幸福:オキシトシンの分泌により得られる幸福。
「つながり」や「愛」から得られる幸福であり、恋人、夫や妻、家族、友人、またペットとの良好な関係から「安心できる」「やすらぐ」「満たされる」と感じられる様なことから得られる。
このオキシトシン的幸福の反対の状態が「孤独」である。
上記の2つの幸福は「気づくことで得られる」幸せであり、慣れて気づきにくくなることはあっても、それ自体が逓減することはない。最後の一つが、
「お金」や「成功」から得られる幸福であり、目標を達成した時などの「高揚感」「気持ちい~い」「楽し~い」などエキサイティングな幸福感である。
このドーパミン的幸福には注意が必要と著者は言う。
最近の研究では、ドーパミンとは幸福物資であると同時に依存症の原因物質でもあることが分かってきたという。依存症とは、例えばアルコール依存症の様に、最初は缶ビール1本でも楽しめるが、毎日飲んでいるとそれでは物足りなくなり、本数が増え、焼酎に変わり、毎日焼酎のボトルをあける程になる症状。
この様に、ドーパミン的な幸福はどれだけ得ても、その幸福感は逓減し(慣れて減少していく)満たされることがない。
「お金」も同じ。
多くの人はドーパミン的幸福である「お金」や「成功」の幸福を求めるが、実はドーパミン的幸福は「求めれば求める程手に入らない」これが脳の仕組みとしてある。
ドーパミン的幸福、「お金」や「成功」を求めても、いつまで経っても「満足=幸せ」になれない。
『幸福』を得るためには、積み上げる順番が大切
上述の脳科学的な視点における『幸福』に関わる3つの脳内物質の特徴から、それぞれの特徴をうまく活かし、それぞれをバランスよく得ることで確固たる『幸福』を築くには、「積み上げる順番」が大切と言う。
積み上げる順番は、セロトニン的幸福⇒オキシトシン的幸福⇒ドーパミン的幸福。
<ドーパミン的幸福を先に得ようとする場合>
ドーパミン的幸福、「お金」や「成功」を先に求めようとする。
⇒得ることができても、その幸福感が逓減することにより、同じ量では満足できず、もっともっと求めたくなる。
⇒睡眠を削り、体に鞭打って頑張れば頑張るほど、体調を崩す等 健康を害することになる。これはイライラやストレスが募ることから、人間関係を悪化させるリスクとなり、最後には「病気」や「孤独」になり得る。
⇒結果として、ドーパミン的幸福を得られないだけでなく、セロトニン的幸福(自分の健康)、オキシトシン的幸福(つながりや愛)といった全ての幸福を失うことになりかねない。
セロトニン的幸福(健康)とドーパミン的幸福(つながりや愛)を盤石にする。
⇒健康で体調がよいことから、仕事におけるパフォーマンス(同じ時間できる仕事の量、仕事の質)が向上する。家族や仲間とのつながりがあるから、周りからの応援も得られる。
⇒仕事がうまく進み、ビジネスで成功する可能性が高まる。お金を得ることにもつながる。
⇒結果として、ドーパミン的幸福も得られる。
注意すべきは「お金を稼ぐこと」や「成功を求めること」がダメと言っているのではないこと。「お金による豊かさ、物による豊かさ」を求めることは大切であるが、それを実現するためには「少し順番を見直す必要がある」という提案である。
それぞれの幸福を活かすための要(かなめ)は「感謝する」こと
それぞれの『幸福』を上手に味わうためにはコツが必要である。ドーパミン的幸福では依存症(中毒性)を回避できればよく、セロトニン的幸福やオキシトシン的幸福では「そこにある」をいつでも気づける様になるとよい。
ドーパミン的幸福で依存症(中毒性)を回避するためには?
⇒オキシトシン的幸福を掛け合わせるのがよい。
例えば、お金を得る(ドーパミン的幸福)時に、それに関わってきた仕事仲間やパートナーに感謝する(オキシトシン的幸福)こと。感謝する気持ちで、ドーパミン的幸福にオキシトシン的幸福が掛け合わせられ、幸福感が逓減しにくくなるという。
次に、
セロトニン/オキシトシン的幸福に慣れてきづかないことを改善するためには?
⇒「感謝する」習慣を身につけるのがよい。
例えば、一日の終わりに「今日も無事に一日を終えることができた」とか、レストランで「おいしい食事を頂けた」「友人と楽しいひと時を過ごせた」と振り返り感謝することで「自分が健康(セロトニン的幸福)であることを意識」できたり、食事を作ってくれたシェフ、話を聞いてくれた友人等「自分の周りの身近なつながり(オキシトシン的幸福)を意識」できる。
いずれも「感謝する」ことが『幸福』を上手に味わうためのポイントとなる。
今まで説明してきた「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」からなる「幸せの三段重理論」といった難しいことなど知らなくとも「感謝する」ことを普段から習慣化していれば『幸福』につながると考えられることが面白いところでもある。
まとめ
精神科医が見つけた『3つの幸福』を正しく手に入れよう!
書籍の中では、脳科学的な話「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」といった小難しい言葉も出てくるが、それらが整理された理論やメカニズムはシンプルであり、また実生活ですぐに活用できる方法も多く紹介されている。
本ブログでは、簡潔に内容をまとめてしまっているが、非常に奥深い書籍であり、是非、図書館でも本屋でも足を運び読んで頂きたい。
そしてこの『幸せ』へのアプローチの方法が、皆さんの『新しい日常』において少しでも役に立つ情報となれば幸いである。
以上
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