『新しい日常』へのシンプルなアプローチ

変化の大きな時代、健在化する様々な問題に対して『新しい日常』につながるヒントになりそうなことを共有していきます。

『新しい日常』雪山で冷やす、熱い⁈データセンター。地球に優しい熱交換【脱炭素社会】

データセンターの銀座”「INZAI

業界内では世界中にその名が知られているという。

 

千葉県印西市、人気のベットタウンに、今、続々と「データセンター」が建設されている。

データセンターとは、企業が取り扱う大量のデータを、各種コンピュータ(サーバー:データの保管庫)やデータ通信などの装置を設置し、運用するために特化した施設である。

セキュリティ上の理由から窓なし、社名すら出さない建物となる、というから近隣住人の皆さんにとっては少し薄気味悪い建物に感じるのではないか?

あのGoogle様も2019年に印西市に土地を取得、日本に初めてのデータセンター建設を発表しているという。

印西市データセンターが集中する理由の一つとしては、その地盤がよいからとのこと。

 

【参考】モーニングサテライト、“データセンター 世界が注目する街”(2021年6月2日放送)

 

<目次>

 

今「データセンター」が注目されている

なぜ多くの企業がデータセンターを手掛けているのか?

その答えの一つは、コロナ禍でデータ通信の重要性が増したからという。

  • オンラインショッピングの普及により様々な手続き(予約、注文、決済)はオンラインでやり取りされ
  • YoutubeTwitterInstagramといったSNSソーシャルネットワークサービス)には日々一刻を争う形で新しい情報が飛び交う
  • 仕事もテレワークやリモートワーク化が進み
  • キャッシュレス化により紙幣を使う機会も減少

これら日常生活の変化に伴い様々な形でデジタル化されたデータはインターネット上で日々増加の一途をたどるばかりである。

 

この様にして増加し収集されるデータが「よきに活かされるかどうか?」は使う側次第であるが、AI等による多量のデータ処理能力が高まる中、各企業にとって活用しない手はない。

企業にとってデータは大切な宝物であり、お宝になるデータを生み出すために様々な仕組みやサービスも生まれている。

サブスクリプションの様なサービスはその代表的な例ではなかろうか?

 

政府もデジタル産業のあり方について大きな方向性を取りまとめる中でデータセンターの国内誘致などを勧めることが戦略の一つとしてあるという。

 

その背景にあるのは、今年3月、LINEで送信した画像や動画を中国の関連企業が閲覧できるようになっていたことが発覚し、多くのユーザーを不安にしたあの問題。

 

国内にあるデータセンターの8割以上が東京と大阪に立地していることから、リスク分散を図るためにも、都心から離れて地方に設置する動きも始まっている。

 

熱い⁈「データセンター」、冷やすのが課題

データセンターにおける大きな課題の一つは消費電力が大きいこと。

自宅でパソコンを長く使用していると熱くなり、冷却用のファンの音が異常にうなる現象、は誰しも経験されたことがあるのでは?

 

データセンター内の設備では常に多くのデータを処理し続けているため、特にデータの保管庫となるサーバー(コンピューター)では発する熱量は膨大である。

消費電力の問題、実はこの熱を冷ますために必要な冷却設備に半分近くの電力が費やされるという。

 

この話を耳にして、ビビっと、ビットコインを思い出した人も少なくないのでは。

 

その発言が社会に大きな影響を与えるイーロン・マスク(電気自動車で世界をリードするテスラの最高経営責任者CEO)氏が、暗号資産(仮想通貨)であるビットコインで「テスラの電気自動車(EV車)が購入でます」とつぶやけば、相場は急騰。

その後「ビットコインを使った電気自動車(EV車)の購入受付を一時的に停止する」とつぶやけば、相場は急落。

 

急落の原因となったこの発言の裏にあるのが、ビットコインの採掘(マイニング:コンピュータによるデータ処理の一種)や取引を維持するために大量のコンピュータが使われるが、その稼働に多くの化石燃料による電力が使用されているという「現状」である。

 

カーボンニュートラルに向け社会に貢献しようとする電気自動車(EV車)メーカーだけにもっともな対応とも思えるが、果たして初めから認識できなかったのかは?

 

現状の問題は化石燃料を使用した電力を大量に使用すること。

 

この問題を解決するためには「電力の再生可能エネルギー」と「省エネ化」、つまり電力の消費量を増やす原因となる「発熱」をいかに抑えるか?が課題となる。

 

暗号資産(仮想通貨)自体は「ブロックチェーン」という技術を用い、ネットワークに接続された複数のコンピュータによりデータを共有することで、データの改ざんを防止し、透明性を高められるという点で素晴らしい技術であることに変わりないことに注意したい。

 

繰り返しであるが、使用する電力を再生可能エネルギー化し、消費電力をおさえるべく発熱を抑制することが大きな問題である

 

発熱問題を解決するための取組み

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雪山が冷やす⁈データサーバーの「発熱」

 雪国、北海道美唄市、冬場に道路などから除雪した雪を回収、雪山として積み上げ、雪山の下を通すことで冷却用の水を冷やす仕組みを実証実験中。

 

ホワイトデータセンターと呼ばれるこの実証実験の地に、市街地からダンプカーで捨てる雪を運んで積んだ、雪山、3000トンを貯蔵。

雪山の表面には断熱材としてチップを30cmかぶせている。

雪山の下には熱交換するための水を通すパイプが設置されており、雪を溶かしてその水を冷やす仕組みである。

 

更に、サーバーで温まった水は、ビニールハウスに送られ、ハウス内の温度の維持にも活用、きくらげの温室栽培もできるという。

 

海外に比べ、電気料金という点においても、そもそも日本は倍くらい高いという。

工夫をすることで電気の消費量を半分に抑えられないと海外には勝てない。

 

「安全性の高い日本国内でデータセンターをつくる」ために発熱(消費電力の低減)は解決すべき必須の課題である。

 

この発熱の課題を解決しようと世界でも新たな取組みが始まっており、アメリカのマイクロソフト社は、データセンターを丸ごと海の中に設置し、海水で冷やすデータセンターの実用化を進めようとしている。

米国の発想のスケール感の違いには圧倒されるばかりである。

 

まとめ

コロナを機に世界中で加速するデジタル化の波。

インターネット上にはデータが日々増え続けることから、データセンターの需要は益々高まると考えられる。

 

一方、2050年に向けカーボンニュートラルに世界が舵を切る中、電力の「再生可能エネルギー」や「省エネ化」に向け多くの課題が顕在化している。

 

データセンターにおける発熱問題はその雪山ならぬ氷山の一角であるが、今回の紹介した雪山による事例の様に、自然の力を合理的に活かしその付加を軽減していこうとする取り組み、は素晴らしいと考える。

 

変化の大きな時代、『新しい日常』で豊かな生活を築いていくために、人類の知恵と創造力が大いに発揮され、少しずつでも問題が解決されることを期待したい。

 

以上