『新しい日常』へのシンプルなアプローチ

変化の大きな時代、健在化する様々な問題に対して『新しい日常』につながるヒントになりそうなことを共有していきます。

『新しい日常』グリーン水素エネルギー化に向けた取り組み【脱炭素社会】

 兵庫県

 

世界遺産姫路城、その城下町を今月(2021年4月)からある新しいバスが走り出した。

水素で動く燃料電池バス」である。

 

兵庫県を中心に700台ほど運行するバス会社(神姫バス)が、西日本で初めて路線バスに導入、事業者として悲願であったという。

 

「バスは昔であれば黒い煙を出して環境に悪そうなイメージがあったと思いますので、対応しなければ企業としても残っていけない」

 

*【参考】ワールドビジネスサテライト(WBS)2021年4月15日放送「グリーン革命の未来 水素 日本 最新技術で挑む!」

 

日本にとってそのカギを握るのが、使用時に二酸化炭素(以下CO2)を排出しない究極のエネルギー『水素

 

実はその製造過程で多くのCO2を排出するという課題があり、普及の壁となっている。

 

その壁を打ち破ろうと動き出した日本の最先端技術がまとめられ放送された内容を紹介したい。

 

ー目次ー

 

製造方法により呼ばれ方が異なる水素エネルギー

以前、“『新しい日常』豊田章男会長のメッセージ【脱炭素社会に向け】“の中で、自動車産業における脱炭素社会『LCA』の脅威に関して投稿した。

 

LCA』とは、ライフサイクルアセスメントを意味し、脱炭素社会にモノづくりにおいて、「モノを作る」-「作ったモノを運ぶ」-「運んだモノを使う(リサイクル含む)」-「最後は廃棄する」といった一連の流れの中で発生する全てのCO2をゼロにしようという考え方である。

 

燃料電池とは、『水素』を燃料とするEV車(電気自動車)。

水素』は空気中の酸素と反応させると、エネルギーを生み、排出するのは水だけである。

究極のエネルギーとも言われており「脱炭素社会」の鍵を握る存在だが、実はその『水素』を作り出す方法に大きな壁がある。

現在、『水素』の製造方法は化石燃料から取り出す方法が主流であり、その過程で多くのCO2を排出するのが課題になっている。

小生も全く無知であったが、この様な水素のことを「グレー水素」と呼ばれる様である。

 

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『脱炭素社会』に向けてグリーンエネルギー1

化石燃料がベースとなる「グレー水素」でも、発生するCO2を回収して利用されている、もしくは地中や海底に貯留されている水素は「ブルー水素」と呼ばれる。

これから国際間で議論されていくが、大気中にCO2を放出しないのが先ず一つのカギとなる。

そして、今後期待されているのは、再生可能エネルギーで製造されるグリーン水素』である。

 

世界最大級のグリーン水素製造工場

福島・浪江町

 

その課題を一早く解決しようと、世界最大級の施設が去年誕生「福島水素エネルギー研究フィールド」である。

以前、“『新しい日常』豊田章男会長のメッセージ【脱炭素社会に向け】“の中でよく理解できていなかったので端折ったが、会見時の発言から豊田章男会長もすごく期待していた施設である。

NEDO新エネルギー・産業技術総合開発機構)、東北電力岩谷産業などオールジャパンが建設した施設。

東京ドーム4個分(約6万8000枚)に相当する太陽光パネル、そして施設の中枢が水素製造装置となる。

ここで行われているのは、再生可能エネルギーを使って、大量の『水素』を作り出すというもの。

 

太陽光発電からの電気を使い、水を電気分解することで『水素』と酸素を分離する仕組み。

 

再生可能エネルギーから生まれる電気を使って『水素』をつくる。

製造時の二酸化炭素(CO2)の排出量を抑えることができる。

化石燃料から作られる水素が「グレー水素」と呼ばれる一方で製造の過程でCO2を排出しない水素は「グリーン水素」と呼ばれ区別されている。

 

この「グリーン水素」こそが、日本が脱炭素の壁を打ち破るための突破口である。

 

トータルでCO2フリーなエネルギーシステムをつくる

 

ここを目指して技術を開発している。

日本は世界トップレベルにあり、世界も日本の動向を非常に注目している。

 

水素の輸送/貯蔵の問題解決に挑む日本のベンチャー企業

水素エネルギーの課題は「製造」のみにあらず。

 

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『脱炭素社会』に向けてグリーンエネルギー2

水素』は大量輸送のために圧縮する必要がある他、供給設備にコストもかかるため普及にはまだまだ時間が掛かると言われている。

 

富山・高岡市

 

その課題解決の一つとして期待されるのが、7人のベンチャー企業、アルハイテック株式会社(2013年設立)の取組みである。

世界でクリーンな『水素』の開発競争が過熱している中、新たな技術が地方企業から生まれようとしている。

トヨタ自動車と共同開発している装置であり、トヨタの工場から出る「アルミくず」を用いて『水素』を製造する。

 

トヨタの工場でエンジンを削るさいに出る「アルミくず」にアルハイテックが開発した特殊な液体で化学反応を起こし『水素』を発生させる。

理科の授業でならっている「アルミと水酸化ナトリウムを反応させて水素を発生させる実験」の原理を応用している。

 

この反応液はアルハイテックの肝、100回は繰り返し使えるので『水素』の製造コストを抑えることができる。

更にエンジンを削り出す時に出る「アルミくず」から『水素』を発生させるので、新たなCOを排出しない。

 

ここまで聞いて、「あれっ?」と感じた方もいるかも知れない。

 

2050年までに脱炭素社会カーボンニュートラル)を目指す動きの中で、当然ガソリンエンジン車は無くなっていくはずである。

なのにエンジンを加工する時にでるアルミくずを原料にするのでは意味がないのではないか?

小生が感じた疑問でもあったが、その疑問はすぐに解消される。

よく考えるとエンジン以外にもアルミ加工品はたくさんあると思うが、環境面においても大きなメリットがあるという話が続く。

 

カップめんのふたはアルミである。

あの裏面の銀色に見える部分である。

この様なアルミを原料とするゴミの量が中途半端ではなく、大変たくさんの量がある。

それを材料として活用するべく、家庭のごみからアルミだけを取り出す装置も開発したという。

 

また、リサイクルしたアルミから水素を製造する小型の装置小型水素製造装置)も10月にも販売予定。

 

水素』における輸送と貯蔵における一つの解決策は以下である。

  1. 小型の水素製造装置を街中のいたるところに配置する。
  2. そして水素を運ぶのではなく、家庭ごみから取り出した、軽くて取り扱いやすいアルミくずを運搬する。

これにより「家庭ごみから抽出されたアルミくずを原料に、街中に配置された小型水素製造装置で、水素を生成し、燃料電池車等に利用する」というモデルができる。

 

アルハイテックの地元、富山県知事は、

富山県のみならず、日本全体、更に世界にも貢献できる技術だと理解している。こういったベンチャー企業富山県では多いに応援していく

と鼻息が荒い。

 

小さなモデルで大きな前進のための一歩となる「つなぎの技術」

前述の状況から、コンパクトなモデルを作り、十分実証実験に進める段階にある。

 

千里の道も一歩から

 

早く行動に移すこと、「スピード感」が大切である。

 

やってみないとわからないことはある。

ゆえにやってみての課題が出てくるであろう。

行動に移さなければ、やってみて初めて分かる課題解決への取り組みが、遅くなるだけである。

 

福島、浪江での「グリーン水素」が本格的に普及するまでの「つなぎの技術」にもなりえる。

 

つなぎの技術」とは将来の大きな前進をするための大切な技術である。

トヨタ自動車で例えるならば「ハイブリッド車」の位置づけの技術にあたる。

 

今でこそEV車に移り変わろうとしているが、「ハイブリッド技術」は長きに渡り世界の自動車業界を支える技術であり、素晴らしい技術であると小生は考える。

 

脱炭素社会にむけてのつなぎの技術を担うのは、兵庫なのか、富山なのか、福島なのか、静岡なのか?

 

規模感が少し曖昧であるが

  • 家庭ごみからアルミを取り出す装置が開発されていて、
  • 小型水素製造装置が10月には販売され、
  • 兵庫ではバス会社がこの4月から燃料電池車に切り替えている、
  • 富山県知事も世界の向け応援するといっている。

 

小さなモデル小さく始めることにより、とるべき「適正リスクも小さく抑えている中でも、このモデルを実行に移す意義はとても大きいのでは?

 

まとめ

小生は、テレビ東京のニュース番組(モーニングサテライト/ワールドビジネスサテライト)が好きである。

 

今回の一つのニュースを取り上げただけでも「問題解決のための組み立てに役にたつ情報がそろっている。

 

実際はそんなに簡単な問題ではないかもしれない

 

しかしながら、兵庫、福島、富山といった日本の至るところで、市内を循環する公共の乗り物としての役割を果たそうとするバス会社、大手企業と対等に研究開発を進める7人しかいない様な小さなベンチャー企業、日本の将来に欠かせないグリーンエネルギーを生み出そうとする官民共同の取り組み、がここにはある。

 

そして、自治体や企業、人が有機的(オーガニック)につながってくることで、大きな問題にも解決できるエネルギーに変わり得る、そんなことが垣間見えてくるニュースであると感じた。

 

有機的(オーガニック)につながることで、より強固で、より大きなエネルギーとなって、日本が『脱炭素社会』に向けて前進することを期待したい。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。

 

以上