『新しい日常』へのシンプルなアプローチ

変化の大きな時代、健在化する様々な問題に対して『新しい日常』につながるヒントになりそうなことを共有していきます。

『新しい日常』船で運ぶべし⁈新しいエネルギー【脱炭素社会】

船で運ぶのが肝⁈

 

脱炭素社会実現に向け、次世代エネルギーとして注目を集めている再生可能エネルギー水素エネルギー。つくり出し、実際に使われる現場に辿り着くまでのサプライチェーンの中で「船で運ぶ」ことが注目されているという。

 

【参考】モーニングサテライト

  • 洋上風力の“切り札”となるか?(2021年8月25日放送)
  • 大浜見聞録 水素供給の主役を目指せ!(2021年8月26日放送)

 

再生可能エネルギー及び水素エネルギー、いずれも、脱炭素社会において実用化を図る上で「船で運ぶ」ことがブレイクスルーのキーポイントとして紹介されていた。

新しい日常』を担う “新エネルギー供給網” を支える新しいテクノロジーではと思い、その内容を共有したく。

 

―目次―

 

洋上風力発電された電力を運ぶ(Power X)

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洋上風力発電の電力を船で運ぶ【脱炭素社会】

脱炭素社会の構築に向けて、再生可能エネルギーの比率をいかに高めていくか?その有望な手段として注目されているのが洋上風力発電

その普及における課題の一つが洋上で発電した電力をどうやって陸地に届けるか?

そこに、日本のベンチャー企業が「船で電力を運ぶ」と立ち上がった Power X(株式会社パワーエックス)である。

 

power-x.jp

 

「電気運搬船という世界でも全く例がない、全く新しい“電気を運ぶ手段、送電の手段”を開発し、世の中に届けたい」

パワーエックス社長の伊藤正裕さんはこう語る。

 

創ろうとしているのは世界でも例のない電気を運ぶ船。洋上での風力発電で作った電気を、船の蓄電池に充電し、陸地へ運搬する。一般家庭およそ2万2千世帯が一日で使う電力量を運べるという。

通常、海底ケーブルでの送電には莫大な建設コストに加え、環境への影響を懸念する声がある。運搬船はそれらの問題を解決すると共に、より強い風が吹く沖合に風車を建てられるメリットもうまれるという。

  • 誰にも迷惑の掛からない沖合100キロの風の強い所に風車を建設
  • その風車で発電された電気を全部そのまま沖合で船に貯める
  • 沖合で船に貯めた電気を陸地まで運搬する

世界でまだ誰もやったことのない挑戦である。

 

「斬新な発想で再生可能エネルギー業界に風穴をあける」

そんなベンチャーマインドをもつ伊藤さんは、以前はアパレル大手 スタートトゥデイ(現在ZOZO)の取締役という。ベンチャーとして起業し、再生可能エネルギー分野への挑戦することの強みについて、伊藤さん曰く、

「エネルギー系の大手企業は完全に出来上がっている。一方でベンチャーが入り込める良さは、我々には何の過去のお荷物がないがない。過去からのメンテナンスしないといけない技術やプラント、工場、雇用がないので、集めた投資金や資本を全て最先端投資に充てられる

 

この大きな船のプロジェクトに、英国王立造船技師協会のフェローやアメリカの電気自動車大手テスラの元幹部といった世界の頭脳も参画。又、福岡、北九州市には、電気運搬船に欠かせない蓄電池(バッテリー)の工場まで作ろうとしている。

 

年内に約100億円の資金調達をめざし、2025年までに自社の蓄電池を載せた「電気運搬船」を完成させる予定。

 

これから洋上風力発電が日本で普及していくための課題や問題を新しいテクノロジーが解決しようとしている。伊藤さん最後に曰く、

「畜電池もそうだし、電気を運ぶ船もそうできると思っている

頼もしいベンチャー企業である。

 

液化水素燃料を運ぶ“すいそふろんてぃあ”(川崎重工業

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水素エネルギーを船で運ぶ【脱炭素社会】

脱炭素社会に向けて注目が集まるもう一つのエネルギー源である、水素。

水素供給の主役を目指す」と語るのは、川崎重工 橋本康彦社長。

川崎重工がその先に望むのは「世界中であたり前に水素を使う会社」になること。そのために一番の課題になってくるのが “コスト”。「作って使う、作って使う」ということが一連の流れとなって動かないとなかなか水素社会はこないという。

 

政府目指す2050年の温室効果ガス排出実質0に貢献するべく、川崎重工は水素供給の “上流から下流まで” を一体で手掛けることで安価な水素供給を可能にし、水素社会の持続可能な枠組み(液化水素サプライチェーン)を作ろうとしている。

オーストラリアに大量に埋蔵されている、褐炭(水分が多い低品質な石炭)。この褐炭から水素を取り出し、オーストラリアから日本に大量に運ぶプロジェクトが始まっている。

Hy STRA(技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構)、参加企業は、川崎重工業、J-POWER(電源開発)、岩谷産業川崎汽船、丸紅、ENEOS、シェルジャパン。

▶現地で高純度の水素を取り出すのはJ-POWER(電源開発)。取り出す際にでる二酸化炭素はCCS(二酸化炭素回収・貯留)技術にて地中に埋める。

▶水素を大量輸送するためのカギを握るのが川崎重工の技術。気体(ガス)として抽出された水素をマイナス253℃に冷却し液化、その体積を800分の1にする。

▶液化した水素を運ぶのが「すいそふろんてぃあ」、液化水素を運ぶことができる世界で初めての運搬船。全長116m、1250立方メートルの液化水素を運ぶことができる。これは燃料電池車およそ15,000台をフル充電できる量。

オーストラリアから日本までの輸送にかかる日数は16日間。輸送中、水素をマイナス253℃に保つための技術がタンクにある。外壁と内壁の間を真空にすることで温度の変化を最小限にとどめることができる。液化天然ガスを運搬する技術を応用している。

川崎重工は2030年までに16万立方メートルの液化水素を運ぶ船を商用化する予定。大型水素運搬船の普及させ、大量に水素を使うことで値段を下げる。

今、1立方メートルあたり約100円(水素ステーション価格で換算)、2030年には約30円、2050年には約20円になり、天然ガスと変わらない値段にしていけるという。

▶オーストラリアから運ばれた液化水素は神戸空港島で荷揚げされる。液化水素荷役基地「Hy touch神戸」、日本最大の液化水素貯蔵タンクであり、運搬船のタンクと同じ構造でマイナス253℃の液化水素を長期間貯蔵することができる。貯蔵できる液化水素の量は「すいそふろんてぃあ」のおよそ2倍、施設の運用は主に岩谷産業が担う。

▶現在、川崎重工は水素を燃料として発電できるガスタービン施設も既に完成させており、およそ1,100キロワットの電力が供給可能。電気や熱を周辺の施設に供給する実証実験も行われているという。

 

先行してやってきた技術を、しっかりモノにして、それを世界のスタンダードにしていく、その役割を果たしていくのが川崎重工のミッション」と橋本社長のコメントは力強い。

 

まとめ

脱炭素社会実現に向け重要な位置づけであるエネルギー問題

世界に先駆け日本の企業が世界をリードし、新しいテクノロジーの創出に健闘していることは日本人として誇らしい。

政府が目指す2050年カーボンニュートラルは少し先の未来であるが、今動き出している新しいテクノロジーが我々の多様性のある豊な生活における選択肢を増やすと伴に『新しい日常』を支える大きな力となっていることに期待したい。

 

以上

 

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『新しい日常』EV向け電池は交換するのがお得で便利?【脱炭素社会】

「20秒」で完了。

電気自動車(EV)における電池交換の話である。一般的な充電では数時間掛かるのがたったの20秒。ガソリンを満タンにする所要時間(5~10分間)と比較しても速い。しかも全自動であるため、運転手は車から降りる必要もない。

中国では、この電池交換ステーションが既に23都市338カ所に展開されているという。相変わらず中国のスピード感には驚かされる。 

 

【参考】モーニングサテライト“中国Tech No.17 広がるEVの“救世主”(2021年8月6日放送)

 

EV(電気自動車)の普及が進む中国で、その弱点でもある充電を補う新技術「電池交換式EV(電気自動車)」が注目されているという。本記事ではその情報を共有する。 

 

ー目次ー

 

EVの電池交換ステーション

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充電式から『電池交換式』へ進化する?【電気自動車】

EV(電気自動車)がおよそ500万台(493万台/21年6月末現在)まで普及した中国ではタクシーのEV化も急速に進んでいるという。

3ヶ月前からEV電気自動車に乗り換えたタクシードライバー曰く

「ガソリン車を運転していた時には毎日のガソリン代は約200元(3,400円)。電気自動車だと、毎日60元(1,020円)しかかからない。毎日100元以上のコストを改善できた」

一ケ月の収入は日本円で5~7万円増加している換算であり燃料費の効果も大きいがポイントはここからである。

 

航続(走行)可能距離が100kmを切ったところで、スマートフォンを確認し、ある赤い建物(ゲート)を目指す。到着するとゲートの中に入り、エンジンを止めそのまま車中で待機。電池交換を実施する。全自動であり人手は掛からない。その交換スピードは、ガソリンの給油より早い。

この赤い建物(ゲート)が、Aulton(オールトン)という会社が開発した「EV電池交換ステーション」である。

赤い建物(ゲート)に進入し車を止めると、両側から出てきた黄色いアームが車体を固定、すると車体の底に特殊な装置が入り、底にくっつくと突起のある黒いものを取り外す。使用済みの電池である。その後、右から出てきた充電済みの電池を取り付けて交換作業は完了、全自動でわずか20秒。

交換作業の速さの秘密は、ボルトを一切使わず特殊な留め金を用いることで、車の底でのバッテリーの着脱交換作業をシンプルにした点にあるという。またこの方式で、およそ1万2,000回もの着脱が可能であり、高い耐久性を実現。

赤い建物(ゲート)は、電池のストッカーにもなっており、左右それぞれ30個の収納が可能、ここで使用済みの電池を常に充電している。

取り外された使用済みの電池が充電され、充電済み電池として再利用できる様になるまでおよそ2時間。通常一日600~700回の交換をしている。

前述のタクシーの場合一回の交換で300キロの走行が可能。

ドライバーはスマートフォンのアプリで、充電済みの電池が「どこのステーションに」「どれだけあるか」を確認することができる。

 

Aulton(オールトン)は、この電池交換ステーションを上海や北京など既に23都市で338カ所展開最大手のガソリンスタンドチェーンとも提携するなどして設置場所を急速に拡大中。

中国国内14社の主要自動車メーカーと提携し、22車種の電池交換バージョンを開発済み。自動車メーカーはAulton(オールトン)が定めた規格に合わせて、電池や車両本体を開発する流れが仕組み化されている。

 

EVの電池交換ステーションの利点と課題

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『電池交換式』EV(電気自動車)のメリットは?

現在はタクシーなど業務用が中心だが、更なる普及を見据えて一般ユーザーにも試験的に販売しているという。

北京に住む、Aulton(オールトン)の電池交換式EV(電気自動車)のユーザー曰く、

「EV(電気自動車)の電池の消耗はとても激しい。充電スタンドで急速充電すると電池の消耗が早い。2-3年で電池の価値が下がる」

「電池が劣化しても交換することができるため、車の買い替えが電池の寿命に左右されなくていい」

 

電池交換式を購入した最大の理由は住宅団地にある充電スポットにある。3,000世帯の大きな団地に充電スタンドは10台分しかない。それ故、その充電スタンドで充電した時には、満充電になったら速やかに出ていかないといけない。

夜は常に満車状態であり、わざわざ他の場所に行って充電する車も多い。中国では、EV(電気自動車)の急増に、住宅の充電設備の整備が追い付かず、大きな問題となっている。

 

こうした社会問題に対処するべく、Aulton(オールトン)は2025年までに電池交換ステーションを10,000カ所までに増やす目標を掲げる他、海外市場への進出も検討しているという。

日本のメーカーでは、日産、ホンダ、トヨタ、三菱、と接触。日本に(電池交換の)モデルを導入したいメーカーもあれば、中国市場での電動化で電池交換の導入を検討するメーカーもあるという。

中国では、電池交換式EV(電気自動車)のシェアは全体からみるとまだ非常にわずか。ただ、中国政府は電池交換についての耐久性や安全性の基準を定め2021年11月から適用する予定であり、普及にむけた後押しをしているという。

そもそも中国では、自宅に充電設備があるユーザーは4割から5割程であり、まだまだ本命とはいえないが、電池交換式EVに追い風が吹いていることも確かである。

 

まとめ

今やAI(人口知能)でもEV(電気自動車)でもドローンの活用でも、先端技術に関わることでは何をするにもスピード感が半端ない中国

この電池交換式に関しては「使用済み」として回収された電池をどう管理できるか?この点をきっちりシステム化されることで、更に実用的な技術に飛躍するのではと個人的には考える。

電気自動車向けのバッテリーは、その機能や安全性の観点から劣化消耗の許容値が狭い(交換基準が厳しい)という。この厄介なバッテリーの劣化消耗の管理を個人でなく、企業側で一括管理できる意義は大きいのでは?

製造ロット、電池使用時間、電池交換回数、外観的な異常有無等あらゆる状態をデータ化し、それらのデータをベースに、回収された電池の電池性能(パフォーマンス、劣化や寿命状態)を都度推し測り、再使用するか廃棄するか判断する。

廃棄と判断された電池はEV(電気自動車)用としては使えなくなっただけであり、その後の再利用先までを見据えたフローをシステム化できるのではという可能性に新しい価値を感じる。

 

まだ過渡期のEV(電気自動車)業界、今後どの様な技術が生まれてくるのか?まだまだ不透明な部分が多い。いずれにしてもスピード感がやや劣る日本勢においては、最新技術の動向をよく見極めて、最終的に日本とって最適な形を『新しい日常』に落とし込まれることを期待したい。

 

最後までご覧頂きありがとうございます!

 

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以上

『新しい日常』行動変容には情報効果⁈「良質な情報を得る」は大切な課題【オンライン化/IT化】

情報効果』と『介入効果』行動変容はこの2つの効果で実現する。

行動変容とは人の行動が変わること。

例えば、国民にステイホームを望む場合、

  • 「今日の感染者数〇〇人でした」といった情報で得られる効果が『情報効果
  • 「明日からまん延防止等重点処置をする」といった政府や自治体の介入で得られる効果が『介入効果

では、どちらの効果が大きいのか?

新型コロナが顕在化して1年以上、スマートフォンのデータ等を使って分析をしてきた中で『情報効果の方がはるかに大きいということがだんだん分かってきたという。

それは、緊急事態宣言が長期化し慢性化すると人は夜の街に出かけたりする、一方で、感染者が増えるとまた少し控えたりする、といった行動からも実感できる。

政府や自治体が出てきて「行動を規制しなさい」とただお説教みたいな感じで介入するよりも、情報をきちんと出して、ある意味科学的に行動を変える様に促す方が、はるかに効率がよい。

 

【参考】モーニングサテライト “今日の経済視点”(2021年7月7日放送)

 

以前 “『新しい日常』新型コロナの少し先を読むシンプルなアプローチ” の中で「世界の感染者数推移の見方」を紹介したが、それから半年が経過。

本記事では、前回と同様なやり方で「世界の新型コロナ感染状況」のポイントを共有したい。

 

<目次>

 

 

世界の新型コロナ感染状況【感染防止対策優良国】

Google検索で「covid-19 感染者数」と入力すると、統計情報として、新規感染者数と死亡者数の推移のグラフを簡単に閲覧することができる。

初めは「日本」における「新たな感染者数」の推移を示すグラフが表示されるが、「日本▼」の部分をクリックし、情報として知りたい国名の検索し選択することで、国別の新たな感染者数の推移を知ることができる。

このデータ提供元は、JHU CSSE COVID-19 DATA となっていて、いわゆるジョンズホプキンス大学のデータが利用されており、概ね日々更新されている。

 

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Covid-19 感染者数推移(Ⅰ)

例えば、日本をレファレンス(モノを見る時の参照基準)として、台湾シンガポールニュージーランドで、新たな感染者数の推移グラフを表示し、パワーポイントに並べてみる。

各国の人口にも注意する必要あるが、縦軸のスケールを気にしながら、ピークの立ち方に視点を置いてグラフを見る。

 

台湾シンガポールニュージーランドといった国は、ワクチンが無い状況下から、感染拡大をよく抑制できていた感染防止優良国である。

台湾に関しては、少し前に急減に悪化したものの、その後の抑え込みがうまくいき、現在安定的に低いレベルで推移。

台湾の様に初期の段階から『感染防止策』を徹底し、感染拡大を抑え込んできた優秀な国でも、突発的な増加が抑えられないこともあることから、『感染予防策だけでは新型コロナの対策として不十分であると言える。

 

世界の新型コロナ感染状況【ワクチン接種の先進国】

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Covid-19 感染者数推移(Ⅱ)

次に、イギリスイスラエルアメリカ合衆国、といった国と比較する。これらの国は、ワクチン接種率が比較的進んでいる国である。

詳細な分析などしなくても、以下の2つのことが見て取れる。

  • 一つ目は、ワクチン接種率を高めることで感染者数を抑制できる(いずれの国でも2020年12月中旬ごろからワクチン接種を開始)
  • 二つ目は、ワクチン接種率が進んだ7月の段階で、再拡大の兆しが見える

 

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Covid-19 感染者数推移(Ⅲ)

再拡大が顕著となっているイギリスを例にとると、急減に新たな感染者数の再拡大はしているが、死亡者数は抑え込まれている。

ワクチン接種の効果としては、死亡につながる重症化を抑制できる効果があると判断されている所以である。

 

ワクチン接種後の感染の再拡大の原因がウィルスの変異(デルタ株等)であり、ワクチンの効きが悪くなるとか、3回打てばもっと効果が上がるとか、依然として耳にする見解もさまざまであり、今後どうしていくのが最適なのか一般人には理解が難しい。

ウィルスが遺伝子のコピーミスをすることにより更なる変異株が発生し、感染力が高まるだけでなく毒性が強くなったり、また、全く新しいコロナウィルスが発生した時にはどうなるのであろうか?心配は尽きない。

新型コロナの教訓は、航空機や鉄道による短時間での移動が普及しグローバル化が進んだ現代において「感染症が発症した時の被害は極めて甚大となる可能性がある」ことを認知できたことであり「いかなる感染症に対しても耐性のある社会を構築していくこと」がこれからの『新しい日常』で求められていると考える。

そのためにはただワクチン接種を進めていけば大丈夫といった楽観的な対応でなく、『感染防止対策』『ワクチン接種』そして速やかに治療できる『特効薬』をバランスよく組み合わせていくことが大切である。

 

まとめ

日本では現在、東京において緊急事態宣言の最中、日々千人を超える感染者が出ており、その対応に四苦八苦している。

それでも世界を見渡せば、日々数万人の感染者が出ている国も多く、比較的感染抑制がされていると言えるかもしれない。

それは国民の一人ひとりが、知り得る情報から賢明な行動をとっている結果に尽きると考える。

情報を正しく発信することが、政府や自治体がすべき一番大事なことである。

テストで60点を80点に上げるのと、80点を100点に上げるのでは、同じ20点上げるのであっても、そのために必要な知力や労力はけた違いであると考える。

ビックデータやAIを用いた解析技術も日々進歩しているわけであるから、そろそろ、効果的な要因を曖昧なままにし「前回もそうだから」といった感じで特定の業界を締め付ける様なやり方で、行動変容を強制化することは避けるべきである。

数日後には、その意義がもやもやした中で、東京オリンピックが開幕されようとしているが、始まるからには、未来に大きなダメージを残すことなく無事終えられることを祈るのみである。

 

 

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以上

 

 

 

『新しい日常』不可解なのは価格だけ?中国流ダイナミックプライシング【オンライン化/IT化】

毎日利用するお得意様の方が、ほとんど利用しない一般客より料金が2倍以上高くなる⁈

スマートフォンにて「乗車場所と行き先を表示させることで、乗る前に料金を知ることができる」サービスを提供する、タクシー配車サービス会社、滴滴(ディディ)。独自のダイナミックプライシングが「お客によって価格が違う⁈」現象を引き起こしている。

ダイナミックプライシングとは、日本では早割などが代表的であり、商品やサービスの需要と供給の状況に合わせて価格を変動させる価格戦略。 

個人的には、例えば「特定の時間に乗車が集中する満員電車を解消するべく、鉄道会社で時間帯により運賃を変動させる(空いている時間帯で運賃を安くする)」様な社会問題を解決すると伴に消費者もお得になる、といった合理的でよいイメージがあり、消費者にとって決して悪いものではないと考える。 

中国では、消費者に不利益をもたらす不可解な価格変動が頻繁に起きており社会問題になっているという。

 

【参考】モーニングサテライト “中国Tech No.16「不利益な“価格変動”の実態」“(2021年7月7日放送)

 

<目次>

 

IT化が進む中国で起こる不可解な価格変動

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中国流『ダイナミックプライシング』の問題点

買い物や移動、食事のデリバリーサービスなど、あらゆるものがスマートフォンで提供され急速にIT化が進む中国。今、そのIT化に伴い収集されたビックデータを用いた「価格差別」が起きているという。

タクシーの配車サービス(滴滴 ディディ)。ほぼ毎日利用する会員(お得意様)とほとんど利用しない会員でどの様な価格差が生まれるのか?検証を実施。本来ならヘビーユーザーである、ほぼ毎日利用する会員(お得意様)の方が安くなると予測するが果たして・・・ 

条件をそろえるため同じ出発地と目的地を設定、同じタイミングで注文。

結果(事前の見積もり)、

  • ほぼ毎日利用する会員(お得意様)   20.63元(353円)
  • ほとんど利用しない会員       9.85元(168円)

全く同じ条件にも関わらず、ほぼ毎日利用する会員(お得意様)の方が2倍以上高い。

実際に利用してみると乗車してみると、同じ時刻で、同じルート、信号待ちなどにより数分の差がでたものの所要時間はほぼ同じ。結果(実際に乗車して)

  • ほぼ毎日利用する会員(お得意様) 19.71元(338円)
  • ほとんど利用しない会員      9.55元(163円)

明細には

ほぼ毎日利用する会員(お得意様)

  • 距離費:3.4km 10.71元
  • 時間費:15分間  9.00元
  • 割引費:      0.00元

ほとんど利用しない会員

  • 距離費:3.4km  10.71元
  • 時間費:14分間  8.4元
  • 割引費:     -9.56元

ほとんど利用しない会員には割引があり、ほぼ毎日利用する会員(お得意様)には割引がない。

結果としてほぼ毎日利用する会員(お得意様)の方が高額となり、価格的には「損をした気分になる」という不可解な構図。 

インターネットの苦情サイト「黒猫投訴」では、こうしたダイナミックプライシングに対する苦情が多く寄せられているという。

その中には、ホテルの予約サイトで、スマートフォンの違いにより価格差がでる(i-phoneの方がアンドロイドよりも高い)といった話もある。

 

中国で不可解な価格変動が起こる理由

消費者問題に詳しい専門家曰く、

「あなたが i-phone12 を使っているとする。こんなに早く最新の携帯を買っているのは価格に敏感でないことの証拠と判断される」

中国では高級品の i-phone を使うユーザーはアンドロイドユーザーよりも「お金に余裕がある」と判断されるという。

また、消費者はオンライン上での全ての行為を分析され“ユーザー像”を形成されていることも影響している。

スマートフォンを使用する時に、どのページにどの程度とどまるか? どの写真や言葉に関心を持つか?全ての行為に対してシステムは注目している。その結果として、一つの製品やサービスに対して「千人千価格」が生まれる。

購入するブランドの好み、購入するまでの時間、性別、年齢、学歴、収入、趣味等、スマートフォンからあらゆる情報が収集され価格の決定に利用されているという。

価格決定の背後にはアルゴリズム(プログラムで用いられる、問題を解決するための手順や計算方法)があるが、実際にそれが人をどう分析しているかはわからない。

消費者は決められた価格に対して抵抗する力もないし、間違っているとも言えない。消費者は弱い立場にある。

果たしてこれは、ダイナミックプライシングの本来の目的である「より良い個性的なサービスの提供」に合致している動きなのか?

 

ダイナミックプライシングは悪い?

ここまで聞くと、ダイナミックプライシングは消費者にとってあまりメリットが無い様に見える。

実際に街で市民の話を聞くと

「堪えるしかない」「個人の力ではどうしようもない」

あきらめの声が多い一方で

便利さを享受できているのだから仕方がない

という声もあるようだ。

今回紹介した配車サービスの滴滴(ディディ)は、価格差別が存在してはいるものの、行き先を入力した瞬間に、渋滞などの交状況を考慮した最適なルートが設定されるなど、ITやAIの技術を駆使したサービスを消費者に提供しており、既存のタクシーよりも圧倒的に便利である。

中国ではIT化によって生活の便利性を急速に向上してきた。多少の価格差別はトレードオフとの見方もできる。

 

黙っていないは消費者だけではない?

便利さの裏には膨大な個人情報の収集がある。

機を同じくして、異を唱えているのは中国政府である。

上述の様な価格差別が調査対象かどうかは不明であるが、中国規制当局は4日(2021年7月4日)、滴滴(ディディ)に対して個人情報の収集と利用において重大な違反があったとしてアプリの新規ダウンロードの停止を命じたという。 

共産党メディアの環球時報は「いかなるIT企業も国家より詳しく個人情報を収集してはいけない」「さらには自由にデータを活用する権利を与えてはいけない」と厳しく批判している。 

また中国政府は6日(2021年7月6日)、海外の市場に上場する中国企業への規制を強化すると発表。中国国営の新華社通信を通じて発表されたもので、中国政府は国境を越えたデータの取り扱いに関する、管理、監督の法規制を整えるとしている。 

中国企業の海外での上場を巡っては、先月30日(2021年6月30日)にNY証券取引所に上場したばかりの配車アプリ大手の滴滴出行(ディディ)に対しインターネット規制当局が調査を始めるなど対応の強化が鮮明になっている。 

中国の発展を大きく支えてきたIT企業への締め付けが厳しくなってきていることは確かである。

 

まとめ

中国における「ダイナミックプライシング」の話は、オンライン上の商品やサービスの普及により日常生活の利便性が高まる中で、ビックデータやAIを駆使し最適化される結果として、「消費者が弱い立場になる可能性がある」と言う事を物語る。 

事業者が顧客単価を上げるというのは、ビジネスの上、今に始まったことではない。

  • 売れる商品を組み合わせてセット販売する、
  • より品質レベルの高い商品やサービスに改善する、
  • 商品やサービスをより気に入ってくれるお客様が入手しやすくなる仕組みを作る

等、その背景にはお客にとっても付加価値をつけることが前提となっていることが望ましい。

この人はお金に無頓着であるからより高い価格で売りつけようとする、しかもアルゴリズムというブラックボックスの中で秘密裏に実施されている、という点が気にかかる。

上記のタクシー配車サービスで言えば、お得意様であれば、予約が込み合う中で優先的に配車がされる、だから価格は少し高くなると説明されれば悪い気はしない。

それでも、滴滴(ディディ)の件は、少なくとも、事前に値段が示されるサービスであり「まだ選択の余地がある」という点で消費者の立場は守られているのでは?

 

世界に遅れこれから急速にIT化を進めようとしている日本。中国の様な不可解な事例が起きないとは限らない。

かといって、いちいち不可解な現象に気を使い続ける様では、利便性は増しても、豊かさは増さない

新しい日常』においては、オンライン上に限らないが「安全」「安心」「信頼」をバランスよく持ち合わせることが企業や社会に求められると考える。

 

以上

『新しい日常』雪山で冷やす、熱い⁈データセンター。地球に優しい熱交換【脱炭素社会】

データセンターの銀座”「INZAI

業界内では世界中にその名が知られているという。

 

千葉県印西市、人気のベットタウンに、今、続々と「データセンター」が建設されている。

データセンターとは、企業が取り扱う大量のデータを、各種コンピュータ(サーバー:データの保管庫)やデータ通信などの装置を設置し、運用するために特化した施設である。

セキュリティ上の理由から窓なし、社名すら出さない建物となる、というから近隣住人の皆さんにとっては少し薄気味悪い建物に感じるのではないか?

あのGoogle様も2019年に印西市に土地を取得、日本に初めてのデータセンター建設を発表しているという。

印西市データセンターが集中する理由の一つとしては、その地盤がよいからとのこと。

 

【参考】モーニングサテライト、“データセンター 世界が注目する街”(2021年6月2日放送)

 

<目次>

 

今「データセンター」が注目されている

なぜ多くの企業がデータセンターを手掛けているのか?

その答えの一つは、コロナ禍でデータ通信の重要性が増したからという。

  • オンラインショッピングの普及により様々な手続き(予約、注文、決済)はオンラインでやり取りされ
  • YoutubeTwitterInstagramといったSNSソーシャルネットワークサービス)には日々一刻を争う形で新しい情報が飛び交う
  • 仕事もテレワークやリモートワーク化が進み
  • キャッシュレス化により紙幣を使う機会も減少

これら日常生活の変化に伴い様々な形でデジタル化されたデータはインターネット上で日々増加の一途をたどるばかりである。

 

この様にして増加し収集されるデータが「よきに活かされるかどうか?」は使う側次第であるが、AI等による多量のデータ処理能力が高まる中、各企業にとって活用しない手はない。

企業にとってデータは大切な宝物であり、お宝になるデータを生み出すために様々な仕組みやサービスも生まれている。

サブスクリプションの様なサービスはその代表的な例ではなかろうか?

 

政府もデジタル産業のあり方について大きな方向性を取りまとめる中でデータセンターの国内誘致などを勧めることが戦略の一つとしてあるという。

 

その背景にあるのは、今年3月、LINEで送信した画像や動画を中国の関連企業が閲覧できるようになっていたことが発覚し、多くのユーザーを不安にしたあの問題。

 

国内にあるデータセンターの8割以上が東京と大阪に立地していることから、リスク分散を図るためにも、都心から離れて地方に設置する動きも始まっている。

 

熱い⁈「データセンター」、冷やすのが課題

データセンターにおける大きな課題の一つは消費電力が大きいこと。

自宅でパソコンを長く使用していると熱くなり、冷却用のファンの音が異常にうなる現象、は誰しも経験されたことがあるのでは?

 

データセンター内の設備では常に多くのデータを処理し続けているため、特にデータの保管庫となるサーバー(コンピューター)では発する熱量は膨大である。

消費電力の問題、実はこの熱を冷ますために必要な冷却設備に半分近くの電力が費やされるという。

 

この話を耳にして、ビビっと、ビットコインを思い出した人も少なくないのでは。

 

その発言が社会に大きな影響を与えるイーロン・マスク(電気自動車で世界をリードするテスラの最高経営責任者CEO)氏が、暗号資産(仮想通貨)であるビットコインで「テスラの電気自動車(EV車)が購入でます」とつぶやけば、相場は急騰。

その後「ビットコインを使った電気自動車(EV車)の購入受付を一時的に停止する」とつぶやけば、相場は急落。

 

急落の原因となったこの発言の裏にあるのが、ビットコインの採掘(マイニング:コンピュータによるデータ処理の一種)や取引を維持するために大量のコンピュータが使われるが、その稼働に多くの化石燃料による電力が使用されているという「現状」である。

 

カーボンニュートラルに向け社会に貢献しようとする電気自動車(EV車)メーカーだけにもっともな対応とも思えるが、果たして初めから認識できなかったのかは?

 

現状の問題は化石燃料を使用した電力を大量に使用すること。

 

この問題を解決するためには「電力の再生可能エネルギー」と「省エネ化」、つまり電力の消費量を増やす原因となる「発熱」をいかに抑えるか?が課題となる。

 

暗号資産(仮想通貨)自体は「ブロックチェーン」という技術を用い、ネットワークに接続された複数のコンピュータによりデータを共有することで、データの改ざんを防止し、透明性を高められるという点で素晴らしい技術であることに変わりないことに注意したい。

 

繰り返しであるが、使用する電力を再生可能エネルギー化し、消費電力をおさえるべく発熱を抑制することが大きな問題である

 

発熱問題を解決するための取組み

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雪山が冷やす⁈データサーバーの「発熱」

 雪国、北海道美唄市、冬場に道路などから除雪した雪を回収、雪山として積み上げ、雪山の下を通すことで冷却用の水を冷やす仕組みを実証実験中。

 

ホワイトデータセンターと呼ばれるこの実証実験の地に、市街地からダンプカーで捨てる雪を運んで積んだ、雪山、3000トンを貯蔵。

雪山の表面には断熱材としてチップを30cmかぶせている。

雪山の下には熱交換するための水を通すパイプが設置されており、雪を溶かしてその水を冷やす仕組みである。

 

更に、サーバーで温まった水は、ビニールハウスに送られ、ハウス内の温度の維持にも活用、きくらげの温室栽培もできるという。

 

海外に比べ、電気料金という点においても、そもそも日本は倍くらい高いという。

工夫をすることで電気の消費量を半分に抑えられないと海外には勝てない。

 

「安全性の高い日本国内でデータセンターをつくる」ために発熱(消費電力の低減)は解決すべき必須の課題である。

 

この発熱の課題を解決しようと世界でも新たな取組みが始まっており、アメリカのマイクロソフト社は、データセンターを丸ごと海の中に設置し、海水で冷やすデータセンターの実用化を進めようとしている。

米国の発想のスケール感の違いには圧倒されるばかりである。

 

まとめ

コロナを機に世界中で加速するデジタル化の波。

インターネット上にはデータが日々増え続けることから、データセンターの需要は益々高まると考えられる。

 

一方、2050年に向けカーボンニュートラルに世界が舵を切る中、電力の「再生可能エネルギー」や「省エネ化」に向け多くの課題が顕在化している。

 

データセンターにおける発熱問題はその雪山ならぬ氷山の一角であるが、今回の紹介した雪山による事例の様に、自然の力を合理的に活かしその付加を軽減していこうとする取り組み、は素晴らしいと考える。

 

変化の大きな時代、『新しい日常』で豊かな生活を築いていくために、人類の知恵と創造力が大いに発揮され、少しずつでも問題が解決されることを期待したい。

 

以上

『新しい日常』充電は走りながら、ワイヤレス充電EVへ進化【脱炭素社会】

電気自動車(EV)というとプラグを使って充電、しかも時間が掛かるイメージがある。

プラグ無しでワイヤレス充電できる技術自体は実用化が近いと言われている中、現在、走りながら充電できるシステムの実証実験が始められているという。

 

【参考】モーニングサテライト、大浜見聞録、モビリティー革命前夜 走りながら充電(2021年5月27日放送)

 

ー目次ー

 

ワイヤレス充電の原理

大阪市内にある電力機器大手のダイヘンは、エネルギー大手出光興産と組んでワイヤレス充電の実証実験を重ねている。

送電用コイルが設置された地面の上に自動車を止めると、そのコイルから自動的に電気が送られ充電を開始、およそ8時間でフル充電されるという。

※超小型EV用ワイヤレス充電システム

 

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ワイヤレス充電の原理【磁界共鳴方式】

 

ワイヤレス充電に使われているのは「磁界共鳴」という方式。

  • 地面側のコイルに電気が流れると磁界が発生する
  • 車の下側には、電気を受け取るコイルがあり、特定の周波数では、車側のコイルが共振(共鳴)し2つのコイルをつなぐ(磁界が2つのコイルを貫く)
  • この磁界により、車側のコイルに電気が流れる

という仕組みである。

 

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ワイヤレス充電 活用構想

 

駐車中でのワイヤレス充電においては、小型のEV車では既に実用段階、来年には普通車にもこのシステムが適用される様、自動車メーカーと交渉中であるという。

 

「走りながら充電」の試み

千葉県柏市東京大学柏キャンパスでは、更に一歩先を行く実験が進められている。

車を走らせながらワイヤレス充電をしようとする取組みである。

 

車体にも工夫あり。

タイヤの中にモーターがあり、直接タイヤを回すインホイールモータを採用するという。

タイヤホイールの中にモーター、文字通り車輪毎にモーターがあり、独立して制御する仕組みとなる。

従来のEVでは、車体の中にあるモーターの力がシャフトを通して2つのタイヤに伝わるため効率が落ちる。

インホイールモータでは、直接タイヤを回すことで効率的に電気を使うことができる。

 

このインホイールモータの横に受電コイルを設置することで、地面側の送電コイルから送られてくるエネルギー(電気)をそのまま使うことができ、またバッテリーに貯められる様にもなる。

 

課題はインフラ面と国際規格

普及のカギの一つとなるのは、このシステムに必要となる充電施設を「どこに?」「どのくらい?」設置するかといったインフラ面の整備である。

走行中給電時間が1秒であるのと2秒であるのではエネルギーは倍違う。

当然時間的に長くとどまる所にコイルを置いた方が有利となる。

 

街の中で走行するモデルケースでは走行時間の1/4が交差点にいることから、交差点から30mまでの区間にコイルを置けば止まって充電をしなくてよくなると試算(シミュレーション)。

実際の走行検証でこれが実現されてくれば、EV車の普及の上でも大きなアドバンテージになる

 

平均的に電力がキープできることがポイントとなる。

 

つまり、バッテリー残量が80%で走り始めて、走り終わっても80%のままであること。

これにより、家での充電や急速充電ステーションも必要なくなると伴に、大きいバッテリー(蓄電池)を車に積む必要がなくなる。

電気自動車の価格が300万円だとするとおよそ100万円の電池にかかるコストが20万円程度ですみ、かなり手ごろな価格の車になる可能性が生まれるという。

 

現在、このプロジェクトに民間企業12社が参画し共同開発中、技術革新に取り組んでいるという。

但し、この走行中の充電に関しては海外8カ国(イギリス、スウェーデン、イタリア、韓国、スペイン、イスラエル、ドイツ、アメリカ)で実証実験が進められている。

 

どの国やメーカーが国際規格を勝ち取るか?

 

東京大学では、柏の葉スマートシティーでの実証実験を計画中であり、2023年からスタート予定。

国際規格を勝ち取るべく、国を挙げて取り組めるか否か、大事なタイミングであるという。

 

まとめ

解決するべき課題」はまだまだ多いかも知れない。

しかしながら2050年カーボンニュートラルに向け世界が動き出した中で、その貢献につながる技術要素が少しずつでも確立されてくることは意義が大きいと考える。

使える技術要素が増えることによって展開における選択肢(自由度)は広がる

 

いきなり「一般家庭の乗用車向けに展開できなければダメだ」という前提でスタートするとなかなか大変である。

 

要素技術を実用段階に落とし込んでいくにあたっては「小さくてかつ有意義なモデル」をいくつか設定し進めていくことが現実的で有効であると考える。

  • 所定のルートを走行するバス等公共の乗り物
  • 特定のルートにおいて人やモノの運搬に採用される自動運転車
  • メンテナンスや管理が行き届きやすいレンタカーやシェアリングカー

小さなモデルで検証を繰り返し、それが相乗的に影響しあって起こる大きな技術革新に辿り着くのに、30年は決して短くないのでは?

 

この様な技術にたずさわるエンジニアのおかげで、2050年における『新しい日常』が人にとっても、地球にとってもよくなっていることに期待するとともに「挑戦してくれていること自体に感謝したい

 

以上

 

 

【参考動画】

 

www.wisdom-tolive-positively.com

 

『新しい日常』未来のために水素エンジン車という「選択肢」を増やすトヨタ【脱炭素社会】

トヨタ自動車が水素エンジン車で24時間耐久レースに参戦、水素のみを燃料としたクルマでレースを走るのは世界初という。

 

豊田章男社長がドライバーも務めたこと、使用された水素は福島県浪江町で製造した再生可能エネルギー太陽光発電)で製造したモノであることも注目された。

 

豊田章男社長曰く、

カーボンニュートラルの実現に向けた選択肢の一つとして水素エンジンの開発を進めたい

 

これには、次世代のエネルギーとして注目されている水素の普及を図るべくその需要を増やしたい、また、自動車業界で培ってきた高度な技術であるエンジン技術を継承することでエンジン製造に関わってきた人達の雇用を守りたいという狙いがあるという。

 

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トヨタ自動車『水素エンジン車』開発の狙い

 

ー目次ー

 

水素エンジン車とは

水素をエネルギーとして走るクルマには燃料電池車(FCV)があるが、水素エンジン車は何が違うのか?

 

違いのポイントは「どのようにして水素のエネルギーを動力に換えているか」である。

 

燃料電池車(FCV)は、水素を空気中の酸素と反応させて発電し、その電力を用いてモータを動かすことによって駆動力を得る。

*ちなみに、トヨタ自動車は2014年世界に先駆け燃料電池車「MIRAI」を販売。

現在、燃料電池車の国内販売台数(他社製含む)はおよそ4600台でありまだまだ普及しているというレベルにはいたっていない。

 

一方、水素エンジン車は、既存のガソリン車と同様、内燃機関である「エンジン」を搭載しており、ガソリンなどの化石燃料の代わりに、水素を燃焼させピストンを動かすことによって駆動力を得る。

化石燃料を燃やさないことから二酸化炭素(CO2)が”ほとんど”発生しない。

*”ほとんど”というのは厳密にはエンジンオイルの燃焼でごくわずかなCO2発生の鑑みてのこと。

 

燃料電池車が一回の水素供給で700~800kmの距離が走行できるのに対して、水素エンジン車(今回のレース仕様)では、50kmの距離であり、水素を効率よく燃焼させていくことが大きな課題の一つである。

 

【参考】「水素エンジン」車レース出場 脱炭素へ次世代の車なるか NHK NEWS WEB

 

水素をエネルギーとする車が普及するための課題

21日放送のワールドビジネスサテライトWBS)では、トヨタ自動車が水素エンジン車で24時間耐久レースに参加する内容を報じた上で普及への課題を2つ提起した。 

水素ステーション(水素を補給する施設)に関しては、現行ガソリンスタンドが3万カ所を超えるのに対して、およそ160カ所しかないという。

水素は製造、輸送、貯蔵のそれぞれのプロセスでコストがかかり、ガソリンや天然ガスと比べて割高なのが課題という。

水素ステーション設置コストに建設費4億、その運営費に年間4千万円必要。

 

そんな中、セルフで水素を充填する無人水素ステーション(日本エア・リキッド、全国13施設の内2施設で展開中)を展開し、運営費をおさえながら営業時間拡大を図ろうとしている企業もある様だ。

 

政府は2030年までに現在の5倍以上にあたる、900カ所の設置を目指すというが、このコストに関してどう持続可能的な解決をしていくのか不透明である。

 

次に2重検査とは。

水素エネルギーで走るクルマには水素を貯蔵するタンク等が備わっており、そのタンク及び配管の漏れ等に伴う事故を防ぎ安全性を確保するために定期点検することが決められている。

従来の車検とは別で設けられており、その周期が異なることから、2重の手間が掛かるのが2重検査問題である。

検査時期がずれている要因の一つは、その管轄省庁の違いからという。

車検は国土交通省、水素タンクは経済産業省が管轄している。

国は一元化を図るべく、6月には大枠を取り纏める予定という。

 

【参考】トヨタ 24H耐久レースに投入 水素エンジン車の実力は? ワールドビジネスサテライトWBS)2021年5月21日放送

 

水素社会実現への取り組み方及び報道のされ方はこれでよいのか?

水素エネルギーによる水素社会の実現は、菅総理が世界に宣言した「2050年までにカーボンニュートラルを実現する(脱炭素社会実現)」を守るべく、日本が国としてきっちり取り組むべき大きな課題の一つである。

 

決して簡単なことでないことから、2050年まで継続的に取り組まざるを得ない「この課題」に対して「水素ステーションが高くて設置の進みが悪い」とか「管轄省庁が異なるから手間が掛かっている」などの細かいことをさも大きな問題として取り上げ「これだけをやっていれば大丈夫」と視聴者に勘違いを生じさせる様な取り上げられ方は少し残念である。

 

以前紹介した記事で、自工連を代表して豊田章男会長の発した言葉では「ライフサイクルアセスメント(LCA)をベースとした立ち位置で、日本人の雇用や外貨獲得による税収を守るべく、国のエネルギー変革が必要である」と訴えているのに対して、あまりにも国(政府)の対応は、スピード感もなく、その場しのぎ的なものに感じるのは小生だけだろうか?。

 

新型コロナでの対応の様に、足元の深刻な問題における対応もうまくコントロールできないのに、カーボンニュートラルに向けた長期的な課題に対する対応が「きちっとした戦略をもって」、「考えうる全ての問題を抽出しつつ」、「優先をつけながら」、かつ「包括的に解決していける」様な感じを受けない。

 

脱炭素の取組みに関しては既に数十年も世界から遅れていると言われている日本が「日本の技術力を活かし、水素社会実現で世界に追いつき、更にはリードしよう」としたいのであれば、課題は2つで、水素ステーションと二重検査のみ、みたいな問題の取り上げ方ではなく、マスコミはもっと大きな枠組みをもって国民に問題を提起するべきではなかろうか?

 

まとめ

大きな課題を解決し目的を実現するためには、ビジョンを明確にし、そのビジョンが成立するために考えうるやるべきことを全て抽出し、その影響度に応じて優先順位をつけて取り組むといった「やり方を変革していくこと」がこれからの時代では求められると考える。

 

トヨタ自動車を中心とした自動車業界は、彼らの技術でできることを全てに全力で取り組むことで「選択肢」を増やし、水素社会の実現に対して貢献しようとしていると感じる。

 

その様な企業の努力に対して、国(政府)や自治体はどの様に主導して脱炭素社会の実現をしていくのか?

 

一年後になって、一年前と何も変わらない状況で、引き続き足元の状況に対処している様なやり方でなく、仮に後で間違っていたと分かったとしても、思い込みでなく広く俯瞰し、かつ本質を突き詰め、仮説をたて、影響度の高いものから優先的に検証していく様な包括的に対応する取り組みが、未来の『新しい日常』に向かってポジティブに前進するための一つの方法となるのではと考える。

 

 

【参考記事】

 

www.wisdom-tolive-positively.com

 

www.wisdom-tolive-positively.com

 

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以上